陽性徴候と陰性徴候
陽性徴候・陰性徴候とは、簡単に言うと中枢神経系が損傷されたときに起こる障害のことです!
随意運動を行うとき、高位中枢(大脳皮質や小脳)は下位中枢(中脳、橋、延髄、脊髄)のもつ反射を組み合わせて実行しています。
※ここで「組み合わせて」と言っているのは「促通と抑制」のことです。
例えば、赤核(下位中枢)は機能が亢進すると屈筋優位となり、反射によって上肢の屈筋の筋収縮が強まってしまいます。
でも普段の生活のなかで上肢に力が入りっぱなしになることはないですよね?
それは大脳(上位中枢)が赤核の活動を抑制しているからなんです!
しかし、脳卒中によって脳が損傷すると、このような抑制が効かなくなります。
つまり、反射をコントロールできなくなるのです。
このように大脳からの抑制が低下すると、「病的反射」「痙縮」「共同運動」「姿勢反射」などの症状が出てきます。
これらの症状を総じて陽性徴候と言います!
つぎは陰性徴候です。
「陽」とくれば「陰」ですよね。
ってことは「抑制」とくれば「促通」です。
つまり陰性症状とは大脳からの促通低下によって引き起こされる障害のことです!
これは脳が損傷されることによって、大脳の直接的な神経機構が障害され、大脳から下位中枢への促通がなくなってしまった状態です。
そうなるとそもそも運動の命令が下位中枢に届かなくなるので、筋力低下や巧緻性の低下が起きてしまいます。
まとめると、
陽性徴候⇒大脳からの抑制低下(病的反射や痙縮などが起こる)
陰性徴候⇒大脳からの促通低下(筋力低下や巧緻性低下などが起こる)
となります!